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【教えて!不動産講座】 |
教えて!3つの定期借地権とは?
土地の有効利用(有効活用)には3つの方法があります。
1つ目は、土地を売却して買った人に有効利用してもらう。
2つ目は、土地の上に賃貸アパートなどを建築して有効利用する。
3つ目は、土地そのもを賃貸して賃借人に有効利用してもらう。
土地の所有権という権利を手放さずに有効利用、有効活用したい方には、1つ目は向いていませんね。
賃貸アパートを建築するというリスクを冒してまで有効利用したくない方には、2つ目は向いていません。
地代などの収入が低くても、リスクを小さくしたい方には3つ目の土地賃貸というのがお勧めです。
しかし、土地を一度貸すと、二度と戻ってこないと言われるように、貸主より借主のほうが法的に有利になっていました。
それではまずい、貸す人がいなくなるいうことで、一度貸したら二度と戻ってこないという流れを改善するため新しくできたのが定期借地権制度です。
簡単に言えば、定期借地権制度とは、契約書通りの賃貸借期間が終了すれば土地は必ず地主さんに返還されるというものです。
その定期借地権の種類は3つあり、一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付定期借地権です。
昨今では、この定期借地権制度が相続対策としても有効に活用されるようになってきました。
そこで、今回は、3種類の定期借地権についてお話ししてみたいと思います。
1.一般定期借地権の特徴
一般定期借地権は、借地期間を50年以上とすることを契約条件として、下記の3つの特約を公正証書等の書面で契約することで成立します。
1) 契約の更新をしない
2) 建物再築による期間の延長をしない
3) 期間満了による建物の買取請求をしない
旧法では、これらの特約は借地人側に不利な契約として認められず無効とされていました。貸主側はだいぶ貸しやすくなりました。この一般定期借地権であれば、契約期間満了後に土地は返還されます。
ただ、気を付けていただきたいのは、50年以上の契約条件だけで自然に定期借地となるのではなく、上記3事項の特約を公正証書等の書面で契約してはじめて成立するということです。
この一般定期借地権は利用の用途に制約はありませんので、貸主借主で自由に契約できるわけですが、マンションや戸建住宅などの敷地として利用されるケースが多いですね。
2.事業用定期借地権の特徴
専ら事業の用に供する建物(居住用を除く)の所有を目的に、存続期間を10年以上30年未満として借地権設定する場合と30年以上50年未満として借地権設定する場合があります。
存続期間を30年以上50年未満とする場合は、一般定期借地権と同様に3つの特約を定めることができるとされています。3つの特約については前記した通りで
すが、ここ重要です。事業用定期借地で存続期間を30年以上50年未満としただけでは、定期借地として成立しないのです。定期借地権とするために契約時に3つの特約を付けなければならないのです。
しかし、存続期間を10年以上30年未満とする場合は、この3つの特約を付けなくても、自動的に定期借地権として適用されます。ここが、2つの事業用定期借地権の大きな相違点ですね。
ただし、存続期間10年以上30年未満も、存続期間30年以上50年未満も、契約は公正証書によって行わなければなりません。
事業用定期借地権は、ロードサイド店舗、ショッピングモールなどの活用事例が目立ち、地代収入を見込めますので相続対策などの土地活用としても有効です。
3.建物譲渡特約付定期借地権の特徴
建物譲渡特約付敵借地権とは、借地権設定後30年以上経過した日に、借地人が地主へ相当の対価で借地上の建物を譲渡することを特約した借地権です。
建物譲渡特約付定期借地権であることを明示するために地主と借地人が約束しなければならないと同時に、将来の建物の所有権移転を担保するために所有権移転の仮登記などをしておく必要があります。
上記2つの定期借地権との相違点は、契約や特約について公正証書等の必要はないということです。
また、上記2つの定期借地権は3つの特約が定期借地権の成立要件でしたが、この定期借地権は、借地上の建物を地主が買い取って借地権は消滅しますので、同要件は特に定めらていません。
建物譲渡特約付定期借地権は、地主が借地人から借地上の建物を30年以上後の将来に買い取るという約束ですから、30年以上後の建物の価格や状況等が不透明です。
そのような理由もあって上記2の事業用定期借地権と比較してあまり利用されてはいないようです。ただし、一般的定期借地権と同様に用途に制限はありません。
4.定期借地権のまとめ
以上のように、定期借地権制度は相続対策にもいろいろと利用できますのでご活用ください。
3種類の定期借地権の概要をまとめてみましたのでご覧ください。
【一般定期借地権】
・存続期間:50年以上
・利用目的:用途制限なし
・契約方法:3つの特約を公正証書等の書面で行う
【事業用定期借地権(1)】
・存続期間:10年以上30年未満
・利用目的:事業用建物
・契約方法:公正証書によって行う
【事業用定期借地権(2)】
・存続期間:30年以上50年未満
・利用目的:事業用建物
・契約方法:3つの特約をつけて公正証書によって行う
【建物譲渡特約付定期借地権】
・存続期間:30年以上
・利用目的:用途制限なし
・契約方法:借地権設定後30年以上経過した日に、借地人が地主へ相当の 対価で借地上の建物を譲渡することを特約する。
契約や特約に対し公正証書等の必要なし。
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